2012/04/07
会員のI.H.さんから寄稿された体験記の第3回、最終回です。
I.H.さんとしては2回目のポルシェクラブ六本木のウインタートレーニングに参加され、2回目の参加だからこそ得られたこと、ドイツ人講師だからこそ実現できる他のトレーニングとの違い、高価と思われるかもしれないが実は時間もお金も非常に効率的であることなど、が書かれています。
I.H.
2012年1月、2度目のポルシェクラブ六本木ウインタートレーニングに参加しました。今年は4日間参加するつもりでかなり前からお休みの予定を入れていましたが、直前になって仕事が入ってしまい、残念ながら2日間の参加となってしまいました。
金曜日の仕事帰りに直接八千穂レイクへ向かい、キャンドルトレーニングから始めました。
1年ぶりの氷上だったので感覚が戻るまでは少し時間がかかりましたが、1時間ほど氷上を走り、その後、約10キロ程度の厚雪ワインディングをホテルまで走りました。
翌日は午前中から夕方遅い時間まで八千穂のコースを走りました。お尻を出し、カウンターを当てることはある程度できるようになっていましたので、今年は「丁寧な操作」に集中することにしました。
とにかく、常に角のない操作を行う。アクセルもブレーキもハンドリングもすべてです。氷上路面の状況を感じながら、行きたい方向を見て、丁寧に操作する。それだけを心掛けてひたすら走りました。
自分でもなぜかはわかりませんが、今年は一度もスタックせず、また、八千穂からホテルまでの厚雪路はゆっくりですがPSMを切って走ることができました。 考えられるのは、今までヘタなりにあきらめずしつこく練習したことで、体が覚えていることが蓄積されているのかもしれません。
津々見先生とカウフマン先生にもお褒めのお言葉をいただいて大変嬉しかったです。
1月の末には、アウディの友人たちと女神湖での氷上走行に参加しました。今年は氷の状態が良く、氷上走行を楽しむことができました。
バランスの良いボクスターは上手にコントロールすれば素直な動きで自然に氷の上を滑ってくれます。
私は、短いウインターシーズンに氷上での練習をするために女神湖にも行きますが、女神湖の氷上コースとポルシェクラブ六本木の氷上コースには大きな違いがあります。
女神湖の氷上コースは、定常円、直線ドリフト、直線とカーブが組み合わさった周回路がそれぞれ独立しており、路面状況が変化することはあっても、設計が変わることはありません。
前にも書きましたが、ポルシェクラブ六本木の氷上コースはカウフマン先生が設計しており、コースの長さやカーブが毎日のように変化し、様々な条件下でクルマのコントロールを繰り返し練習することができます。
このようなコース設計はドイツ人のプロのレーシングドライバーだからできることだと思います。
女神湖の方々にもお世話になっており大変書きにくいのですが、走っていて楽しめるのはカウフマン先生の氷上コースです。国内の氷上トレーニングで、あのようなコースを体験できるのはポルシェクラブ六本木だけではないでしょうか。
2月、今シーズン最後の氷上走行となった女神湖では、八千穂でのトレーニングを思い出しながら「周回路をドリフトでつなぐ」という練習に時間を使いました。
最初の直線ドリフトからカーブにドリフトで入り、振り返しで次のカーブに入り、ドリフトでつないでいきます。
ゆっくりですが、動きを止めずに滑り続ける、こんなことが出来るようになったんですね。自分では信じられません。
これまでの氷上トレーニングを振り返って言えることは、「氷上トレーニングは、時間もお金も最も効率的に運転技術の向上ができる」ということです。
氷上トレーニングを受けた方はおわかりになると思いますが、帰り道のカーブがいつもより楽しく走れることを感じると思います。また、山道やワインディングに行った時も、今まではきついと思っていたカーブがより高速できれいに曲がれると思います。
氷上トレーニングは、高速でクルマで走らせることよりも、様々な状況でのクルマのコントロールを学ぶということに効果があると思います。
また、途中であきらめない、ということも大事です。
初めて氷上に来ると、コントロール出来ない、または、普通に走ってしまうという期間が個人差はあると思いますが、かなりの期間続くと思います。
できなくても、しつこく丁寧に繰り返すことで自然にクルマのコントロールが出来るようになると思います。
ポルシェに乗られている皆さん、だまされたと思って一度氷上トレーニングに参加してみてください。ウインタータイヤは高価な買い物だと思いますが、それ以上の効果を体験できるのは間違いありません。
最後になりましたが、ポルシェクラブ六本木の理事の皆さま、ウインタートレーニングでお世話になりましたインストラクター、スタッフの皆さまに心から御礼申し上げます。
(終わり)
<写真2012年1月のポルシェクラブ六本木ウインタートレーニングのもようです。>
I.H.さん、ご多忙の中、理論的かつとても分かりやすい、素晴らしい体験記を寄稿いただき、本当にありがとうございました。
(事務局一同)
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